玉川保育園とSDGs

SDGs(Sustainable Development Goals)とは

世界ではグローバル化が進む一方で、各国・地域にはそれぞれ人々の生活や地球環境を脅かす課題が存在しています。先進国であれ開発途上国であれ、課題と向き合い、解決に向けて行動しなければならないという点に変わりはありません。
SDGsとは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のことで、2015年9月の国連サミットで採択された2030年までの国際目標です。SDGsでは、政府のみならず、企業や一般市民の主体的な行動による課題解決が求められているのが特長です。この課題解決に、玉川保育園は事業活動を通じて貢献できると考えています。

玉川保育園とISO

SDGsを本業の活動に組み込み、実際に運用し、パフォーマンスを上げていくための決められた手順や方法は存在しません。しかし、玉川保育園では以前よりISO14001を取得しているため、SDGsの推進にISO14001を活用することが可能です。
ISO14001は「環境マネジメントシステム」であり、環境に関する規格と認識している人も多いかと思います。しかし、規格書の序文には「持続可能性の“環境の柱”に寄与する」とあり、実は「持続可能な開発」を目的としていることはあまり知られていません。 つまり、社会の持続可能性を追求するための世界標準という点では、SDGsもISO14001も同じなのです。
したがって、玉川保育園ではSDGsにISO14001の仕組みを活用することで、SDGsに関するPDCA(計画・実行・評価・改善)のサイクルが自然に回り、SDGsの効率的かつ実効的な運用ができるのです。

SDGsと玉川保育園の関わり

SDGs-1 貧困をなくそう SDGs-3 すべての人に健康と福祉を

様々な貧困

「貧困」と聞くと、経済的要因による貧困を連想するかと思いますが、保育園における「貧困」の問題を考えると、必ずしもそれだけはありません。
たとえば、言葉の貧困、文化の貧困、体験の貧困、それから愛されることの貧困といったことが考えられます。もしこういった問題を抱えた子どもが園にいた場合、真っ先にその問題解決の手助けを出来るのが、近くにいる保育者とその園ではないでしょうか。

SDGs-2 飢餓をゼロに

子ども達が食に対する感謝の念や理解を深められるように、食育や日々の保育活動の内容にも様々な工夫を凝らしています。また、地元の農家と契約して、出来るだけ多くの立川産の安心で新鮮な旬の野菜を用いることを心掛け、フードマイレージや環境への負荷を低減させる努力をすると共に、食材クズを出さない工夫をしてゴミの減量にも務めています。

SDGs-4 質の高い教育をみんなに

玉川保育園では、全人教育とキリスト教保育の理念に基づき、全職員が個々の子どもに接しながら、「全体的な計画」に則り、正しい愛情と知性と技術とをもって保育目標(つよい体でよい頭、そしてきれいな心の「光の子」の育成)の達成を目指しています。
また、「遊び」を保育の中心とし、子どもが自発的・意欲的に関われるような環境を整え、子どもの主体的な活動や子ども相互の関りを大切にしています。

SDGs-7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに SDGs-11 住み続けられるまちづくりを SDGs-13 気候変動に具体的な対策を

SDGs-14 海の豊かさを守ろう SDGs-15 陸の豊かさも守ろう

環境による保育

私たちの保育目標達成のために大切なこと、それは子ども達を取り巻く「環境」を整えることです。「環境」と一口に言っても、そこには様々な意味があります。保育園において最も重要なのは子ども達を取り巻く「人的環境」(保護者・保育者・地域の人々)であることは言うまでもありませんが、もう一つ大事なのは「物的環境」です。園庭、園舎、教具、教材などを含めた物的環境も整え、より質の高い保育を提供できる様にすることが大切です。
では、保育園における環境のどこまでを私たちは整えれば良いのでしょうか。「人的環境」は分かりやすいと思います。関わる人すべてが子どもに影響を与えます。では「物的環境」はどうでしょうか。保育園に通っている間だけ子ども達が触れたり、活動をする場である園庭、園舎、教具、教材のみを整えれば良いのでしょうか。勿論そうではありません。いくら園庭、園舎、教具、教材が整備され充実していても、私たちの暮らす立川、日本、ひいては地球がゴミであふれ、温暖化が進み、動植物の種の絶滅等々が起こっている環境が子どもの成長発達上良いはずがありません。

『もっとやさしくEarth Our Home』

玉川保育園の環境方針策定にあたり、まず考えたことは、単なるお題目に終わることなく、玉川保育園に通う子どもたちが保育園という環境の中で日々生活することにより、自分自身を大切にすると共に他に親切な心を持った子どもになってくれるよう、また、人だけでなく周りの動植物や地球環境のことなどにも心にとめて、考え・行動してくれるような、そんなたくましい体と望ましい心を育てることに役立つ、私たちの保育園らしい環境方針とは何か、そのための仕掛けとは何かということを考えることでした。(玉川保育園の具体的な取り組みについては「環境方針」のページをご覧ください)

環境マネジメントシステム(EMS)の導入

以上のように、保育園における物的環境について考える際は、より広い視点を持ち、子ども達の生活の場である保育園が、ささやかであっても地球環境を意識した、魅力ある空間として活用されるよう、物的環境の充実に力を入れていかなければなりません。
そのために、玉川保育園では事業継続マネージメントシステム(BCMS)の要素を含めた環境マネージメントシステム(EMS)を導入し、事業運営を行っているのです。
(ISO14001:2010年3月認証取得、ISO22301:2016年6月認証取得)

SDGs-10 人や国の不平等をなくそう SDGs-16 平和と公正をすべての人に

玉川保育園には様々な活動や行事がありますが、折に触れて保育者が、子どもたちが自分の外の世界に目を向けられるような働きかけをしています。
例えば、赤い羽根共同募金では募金の意味を分かりやすく伝えると、子ども自身が家で家族と話したり、「少しでも役に立ちたい」と意識して募金する姿が見られます。また12月のクリスマス祝会の献金では、世界には色々な国があり、水を飲めなかったり食べ物がない国もあることを、地球儀や本を見たりして伝えることで、子どもたちが世界に目を向け、困っている人のために自分には何ができるのかを考える機会となっています。